〜異例の早さの梅雨明けとなった 6 月末に調査を実施〜
今夏の家庭での節電に関する調査結果報告書

株式会社LIXIL住宅研究所では、全国（沖縄を除く）の一戸建てにお住まいの既婚の男女を対象に、今夏の家庭での節電意識や自宅での節電対策、光熱費高騰の家計への影響などについて調査を実施しましたのでご報告します。
なお、有効回答：708、調査時期： 2022年6月27日から6月30日です。

■調査結果について
  電気料金の高騰は、自宅の家計費に影響があると思うとの回答が 84.7％に達しています。さらに、異例の早さの梅雨明けとなり、節電への要請が出されている中、今夏、自宅で節電に取り組むとの回答が 93.4％となりました。その理由としては、家計への負担を少なくしたいからが最も多く6割以上となっています。節電対策としては、扇風機を使用する（55.1％）、冷房の設定温度を高めに（49.8％）、窓際などにすだれやよしずを置く（34.6％）が上位となっています。
  一方、電力不足、節電要請、脱炭素社会については、太陽光発電などクリーンエネルギーをさらに普及させる（41.5％）、電気自動車が普及し始めているが、さらに電力不足にならないか不安（27.8％）となっています。
また、省エネ性に優れたパッシブデザインの住宅について興味がある方が半数以上の 54.3％となり、今後、建て替えや新築する時に、パッシブデザインの住まいを検討したいとの回答が約7 割に達しています。脱炭素社会の到来、電気料金など燃料費の高騰、今後も続く電力不足などが予想される中、自然の恵みを上手に生活に取り込み、省エネ生活を可能にするパッシブデザインの住まいはさらに注目が集まると思われます。

■調査結果の要約
● 今年の夏、電気料金の高騰は、自宅の家計費に影響があると思う＝84.7％
● 今年の夏、自宅での節電に取り組もうと思っている＝93.4％
● 自宅での節電に取り組む理由 BEST5
電気代が高くなってきており、節電することで家計への負担を少なくしたいから 61.0％
社会全体で節電に協力するべきだと思うから 40.8％
電力を使いすぎると急な停電などが心配だから 30.1％
今年の夏は、電力不足のために政府から節電の要請が出ているから 26.9％
無駄なことは極力省くのが私の生活スタイルだから 26.9％
● 自宅での節電対策 BEST4
扇風機を使用する（買う・増やす） 55.1％
冷房の設定温度を高めに設定する 49.8％
日差しが直接部屋に差し込まないように、すだれやよしずを置く 34.6％
家族が集うリビングなどを集中的にエアコンで冷やす 30.3％
● 電力不足、節電要請、脱炭素社会について
・電力不足を補うために、太陽光発電などクリーンエネルギーをさらに普及させるべきだと思う（41.5％）
・脱炭素社会として電気自動車が普及し始めているが、さらに電力不足にならないか不安（27.8％）
● 省エネ性に優れたパッシブデザインの住宅（一戸建て住宅）について
・パッシブデザインの住宅について興味がある＝54.3％
・建て替えや新築する時に、パッシブデザインの住まいを検討したい＝69.7％

■調査結果（詳細）
Q1．今年の夏、電気料金の高騰は、自宅の家計費に深刻な影響があると思いますか （ＳＡ）
実数 比率
深刻な影響があると思う 241 34.0％
若干影響があると思う 359 50.7％
変わらないと思う 52 7.3％
あまり影響は無いと思う 22 3.1％
全く影響は無いと思う 10 1.4％
答えたくない 4 0.6％
わからない 20 2.0％
計 708 100.0%
Q2．今年の夏、自宅での節電に取り組もうと思いますか （ＳＡ）
実数 比率
徹底的に取り組もうと思う 84 11.9％
できるだけ取り組もうと思う 388 54.8％
最低限の取り組みはしようと思っている 189 26.7％
節電しようとは思っていない 24 3.4％
その他 3 0.4％
わからない 20 2.8％
計 708 100.0%
Q3．自宅での節電に取り組む理由をいくつでもお選びください （ＭＡ） Ｎ＝661
※Q2で「徹底的に取り組もうと思う」「できるだけ取り組もうと思う」「最低限の取り組みはしようと思っている」を選択した661人に質問
実数 比率
電気代が高くなってきており、節電することで家計への負担を少なくしたいから 403 61.0％
社会全体で節電に協力するべきだと思うから 270 40.8％
電力を使いすぎると急な停電などが心配だから 199 30.1％
今年の夏は、電力不足のために政府から節電の要請が出ているから 178 26.9％
無駄なことは極力省くのが私の生活スタイルだから 178 26.9％
脱炭素化社会を実現するためには、節電による省エネ生活が必須だから 138 20.9％
節電によりポイントが貰えそうだから 89 13.5％
コロナ禍で、夏場窓を開けている生活に慣れたから 47 7.1％
その他 6 0.9％
わからない 38 5.7%
Q4．今夏、自宅で取り組もうと思っている節電対策や実際に取り組んでいる節電対策をいくつでもお選びください （ＭＡ） Ｎ＝661
※Q2で「徹底的に取り組もうと思う」「できるだけ取り組もうと思う」「最低限の取り組みはしようと思っている」を選択した661人に質問
実数 比率
扇風機を使用する（買う・増やす） 364 55.1％
冷房の設定温度を高めに設定する 329 49.8％
日差しが直接部屋に差し込まないように、すだれやよしずを置 229 34.6％
家族が集うリビングなどを集中的にエアコンで冷やす 200 30.3％
できるだけ冷感効果の高い下着やシャツなどを着る 187 28.3％
省エネタイプの家電製品（エアコンや照明器具など）に買い替える 121 18.3％
冷蔵庫の設定温度を高めにする 108 16.3％
電力消費のピーク時に節電を集中する 99 15.0％
窓際、ベランダなどに水盆をおいたり打ち水して温度が下がった風が入ってこさせる 90 13.6％
太陽光パネルを設置する 81 12.3%
植物による緑のカーテンを育てて日差しを和らげる 79 12.0%
遮熱・遮光効果の高いフィルムを窓に貼る 77 11.6%
家庭用蓄電池を設置する 40 6.1%
契約アンペアを見直す 32 4.8%
その他 14 2.1%
Q5. 電力不足、節電要請、脱炭素社会についてあなたの考えに近いものがあればいくつでもお選びください（ＭＡ） Ｎ＝661
※Q2で「徹底的に取り組もうと思う」「できるだけ取り組もうと思う」「最低限の取り組みはしようと思っている」を選択した661人に質問
実数 比率
電力不足を補うために、太陽光発電などクリーンエネルギーをさらに普及させるべきだと思う 274 41.5％
脱炭素社会として電気自動車が普及し始めているが、さらに電力不足にならないか不安 184 27.8％
電力を作るために化石燃料に依存しているのであれば、節電に協力して脱炭素社会に貢献したい 159 24.1％
脱炭素社会への歩みが続くと、電力不足が当たり前の社会になると思う 151 22.8％
今の節電生活は、最低限の電力で生活する脱炭素社会到来への訓練になると思う 135 20.4％
その他 18 2.7％
わからない 117 17.7％
Q6．省エネ性に優れたパッシブデザインの住宅（一戸建て住宅）について興味がありますか（ＳＡ）
※Q2で「徹底的に取り組もうと思う」「できるだけ取り組もうと思う」「最低限の取り組みはしようと思っている」を選択した661人に質問
実数 比率
既にパッシブデザインの住宅に住んでいる 31 4.7％
パッシブデザインの住宅にとても興味がある 90 13.6％
どちらかというと興味がある 269 40.7％
興味は無い 168 25.4％
その他 3 0.5％
わからない 100 15.1％
Ｑ7．現在の住まいを建て替え、新築する場合にパッシブデザインの住まいを検討したいと思いますか（ＳＡ）
※Q6．で「パッシブデザインの住宅にとても興味がある」「どちらかというと興味がある」を選択した359人に質問
実数 比率
ぜひとも検討したいと思う 39 10.9％
できれば検討したいと思う 211 58.8％
あまり検討したいとは思わない 47 13.1％
まったく検討したいとは思わない 21 5.8％
その他 3 0.8％
わからない 38 10.6％
計 359 100.0％
■調査概要 ・有効回答：708 ・調査対象：一戸建てにお住まいの20歳以上の男性・女性 性別
男性 女性 全体
実数 460 248 708
比率 65.0% 35.0% 100.0%
年代
20代 30代 40代 50代 60代以上 全体
実数 17 53 103 245 290 708
比率 2.4% 7.5% 14.5% 34.6% 41.0% 100.0%
・調査時期：2022 年6 月27 日から 6 月30 日 ・調査地域：全国（沖縄を除く）
北海道 東北地方 関東地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方 全体
実数 41 45 231 131 145 50 21 41 708
比率 6.2% 6.4% 32.6% 18.5% 20.5% 7.1% 3.0% 5.8% 100.0%
・調査方法：WEB調査

■参考
●パッシブデザインの住まい 〜自然換気の恵みを活用し、で省エネ＆快適な生活を！〜

パッシブデザインの住まいとは！＝自然の恵みを活かし、少ないエネルギーで快適に生活するライフスタイル

パッシブデザインとは、太陽の光や熱、風といった自然の恵みを上手に採り入れることで、エアコンなど機器をなるべく使わず快適に暮らすことを目指した設計。もちろん、太陽光発電システムや冷暖房機器を暮らしから切り離すことはできませんが、LIXIL住宅研究所のフィアスホームでは、光や熱、風をコントロールするパッシブ設計をベースに、さらに快適な暮らしを実現します。

自然のエネルギーを味方にするパッシブデザインの「建築的手法」を採用することで、エアコンなどの「機械的手法」をできるかぎり少なくし、省エネ性と快適性の両立が可能です。

◆ポイント① ＝ 太陽の熱が家の中に入るのを家の外で防ぐ 〜 夏の日差しを遮る設計 〜
・太陽の位置が高い夏には、厳しい日差しを「深い軒の出」でブロック。

・庭には芝生や水盤などを使うことで、日差しや熱気の侵入を抑えます。

◆ポイント② ＝ 住宅内外の温度差を利用して空気の流れをつくる「温度差換気」

住宅内外の空気の温度差を利用し、風がないときでも空気の流れをつくります。夜、個室のドアを閉めているときでも、部屋ごとに風が通るようにすることで、冷房の使用をセーブし家計を助けます。また、「地窓」と「高窓」を組み合わせることで、通風量は同じでも窓の高低差によって風が流れ、快適さを感じる「地窓効果」を活用。部屋全体を風が通り抜けるようにしています。

・縦すべり出し窓（ウィンドキャッチ）は、引違い窓と比べ、約10倍の通風量の風を採り込む
通風開始後20分後には室温は引違い窓に比べ約4.4℃の温度差が生まれます。

■事例紹介① 〜厳しい夏の日差しを「深い軒」でブロック〜
2020 年に建てられた長野県のフィアスホーム佐久平店で施工した物件です。
あるようでなかった大きく突き出した軒がパッシブデザインの象徴。厳しい夏の
日差しを「深い軒」でブロックします。

■事例紹介② 〜フィアスホーム「2021年度パッシブ設計コンテスト」最優秀作品〜
フィアスホームでは、断熱・気密や自然風利用などパッシブデザインの5要素などを評価し、パッシブデザインに優れた住まいを表彰しています。2021年の最優秀作品は、高い断熱・気密性能をベースに、比較的日射の多い地域特性に合わせて、日射を多く取り込み部屋の奥まで明るさが届く設計となっています。

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